特別レポート

諏訪中央病院名誉院長 鎌田 實先生・テラ株式会社 代表取締役社長 矢﨑 雄一郎 対談「がんばらない&あきらめない」がんサポート 2010年11月号より抜粋

樹状細胞ワクチン療法はがんを狙い定めて攻撃します

鎌田:
従来の活性化リンパ球療法と樹状細胞ワクチン療法の違いはわかりやすく言うとどうなりますか?
矢崎:
樹状細胞ワクチン療法は免疫療法の1つですが、免疫療法の中でもがん細胞だけを攻撃する「特異的免疫療法」です。一方、活性化リンパ球療法は、がん細胞だけを狙うことはできない「非特異的免疫療法」になります。
鎌田:
活性化リンパ球療法は、リンパ球を増やして総攻撃をかけるけれども、当たらないものも多かった。
矢崎:
そうですね。その点、樹状細胞ワクチン療法は、がんの顔をわかったリンパ球を育てますから、がんを狙って攻撃してくれる。たとえるならば、活性化リンパ球療法は、暗闇にいる敵に対して銃を乱射しているようなものでしたが、樹状細胞ワクチン療法はスコープをつけて狙いを定めて敵を撃つような方法です。
鎌田:
世界的に見て、樹状細胞ワクチン療法はどういう評価をされているのですか。
矢崎:
免疫療法の中の1つのトレンドであることは間違いないと思います。今年4月にようやくFDA(アメリカ食品医薬品局)で、樹状細胞を使った治療が承認されました。もう1つ、同じような治療法が承認されると予想されています。アメリカでは、細胞を使った免疫療法が短期間のうちに広がる可能性があります。
鎌田:
今年FDAで承認されたこの治療より、テラが進めている樹状細胞ワクチン療法のほうが優れている点があるそうですね。
矢崎:
FDAが認めた治療は、10数年前から行われていた方法です。承認手続上、1度申請すると、新しい方法に代えることができないため、10数年前の方法では、細胞の培養法が古かったり、ワクチンの中の樹状細胞の量が少なかったりするわけです。私たちは新参者ではありますが、技術は新しく、約90パーセントと大量の樹状細胞が入ったワクチンを作ることができるという強みがあります。
鎌田:
今後の展開次第では、手術、放射線、抗がん剤に次ぐ、4つ目の治療法となる可能性もありますね。
矢崎:
3つの治療法にプラスαをもたらす治療法として使ってもらい、シナジー効果で治癒率の向上を目指します。
テラ株式会社は、鎌田先生が理事長をされている
チェルノブイリ連帯基金の活動に賛同し、寄付をしました。

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